Japanese
English
特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(6)1989年10月 名古屋
学術展示
糖尿病と前房蛋白濃度—3.糖尿病患者の前房蛋白濃度と全身背景因子との関連性
Aqueous protein concentration in diabetes. 3. Influence of systemic factors
加藤 聡
1
,
大鹿 哲郎
2
,
船津 英陽
3
,
国定 勝郎
1
,
山下 英俊
2
,
澤 充
4
Satoshi Kato
1
,
Tetsuro Oshika
2
,
Hideharu Funatsu
3
,
Katsuro Kukutei
1
,
Hidetoshi Yamashita
2
,
Mitsuru Sawa
4
1東京大学眼科
2東京厚生年金病院眼科
3三井記念病院眼科
4東京大学角膜移植部
pp.1288-1289
発行日 1990年8月15日
Published Date 1990/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908245
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
緒言 フレアー・セルメーターを用いることにより糖尿病患者における前房蛋白濃度が,網膜症の程度と相関のあることが明らかになった1)。しかし全身背景因子との関連については未だ十分には検討されていない。そこで今回,糖尿病患者の前房蛋白濃度と全身背景因子との関連について検討を行った。
対象および方法 対象は網膜光凝固術施行眼を含む糖尿病患者110人(220眼)で,その糖尿病平均罹病期間は12.4年であった。緑内障,強度の屈折異常,結膜炎,測定に影響する白内障,ぶどう膜炎等の眼科的疾患を合併する症例は対象から除外した。フレアー・セルメーターの測定は,前回の報告1,2)と同様にFC1000®(興和)を用い,測定は一定時刻に,散瞳後30分から1時間の間に行った。全身背景因子としては年齢,性別,糖尿病罹病期間,血糖コントロール(HbA1C値),内科的治療法,高血圧,腎症(持続性蛋白尿)の7因子を取り上げ,①各因子と前房蛋白濃度との単相関,②数量化理論Ⅰ類を用いた重相関について検討した。数量化理論Ⅰ類を用い解析した際,前房蛋白濃度を従属変数,上記の7つの背景因子を各アイテムとし,表1にアイテムの数量化(grading)を示す。
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.