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特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(6)1989年10月 名古屋
学術展示
糖尿病性網膜症における血清フルクトサミン測定の意義
Implication of serum fructosamine level on the course of diabetic retinopathy
秋山 和人
1
,
山口 卓朗
1
,
嵩 義則
1
,
雨宮 次生
1
Kazuto Akiyama
1
,
Takurou Yamaguchi
1
,
Yoshinori Dake
1
,
Tsugio Amemiya
1
1長崎大学医学部眼科教室
pp.1286-1287
発行日 1990年8月15日
Published Date 1990/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908244
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- Abstract 文献概要
緒言 近年,フルクトサミンがより容易に測定できるようになり,HbA1やHbA1Cよりもより短期すなわち,約1〜3週間過去の血糖コントロールの指標として注目されており,その臨床的有用性について多くの報告が見られる。しかし,これまでにフルクトサミンと糖尿病性網膜症の進行との関係について述べた報告は少ない1)。今回,長崎大学医学部附属病院眼科外来を受診した糖尿病患者について,フルクトサミンと糖尿病性網膜症の進行との関係についてHbA1と比較して検討したので報告する。
対象および方法 対象は長崎大学医学部附属病院眼科外来を受診し,最低2か月に1回フルクトサミンとHbA1を測定した糖尿病患者57例106眼である。ただし,牽引性網膜剥離による全剥離や血管新生緑内障などにより失明した眼や,眼底が透見不能な眼は除外した。年齢は21〜74歳,平均56歳,経過観察期間は4か月〜1年2か月,平均9.0か月であった。糖尿病性網膜症は福田分類により分類し,1段階でも進行したものを網膜症進行群とし,それ以外のものを網膜症非進行群とした。フルクトサミンとHbA1は同じ日に採血したものを採用し,その平均値を用いた。
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