Japanese
English
連載 眼科図譜・287
Waardenburg症候群
A case of Waardenburg syndrome
堀江 英司
1
,
石綿 丈嗣
1
,
浜畑 和男
2
,
永野 幸一
1
,
樋田 哲夫
1
Eiji Horie
1
,
Taketsugu Ishiwata
1
,
Kazuo Hamahata
2
,
Kouichi Nagano
1
,
Tetsuo Hida
1
1杏林大学医学部眼科
2菊池眼科病院
pp.782-783
発行日 1990年6月15日
Published Date 1990/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908167
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- Abstract 文献概要
緒言 Waardenburg症候群は1947年にKlein1)が聾唖,限局性白皮症を伴った虹彩色素異常及び内眼角側方偏位を示す症例を初めて報告,1951年Waardenburg2)により先天性難聴,虹彩及び前頭部毛髪の色素異常に眼瞼,眉毛,鼻根部の奇形を合併する遺伝性疾患として確立された症候群である。今回我々は本症候群と思われる1症例を経験したので供覧する。
症例 16歳,女性。初診:1989年4月24日。主訴:両眼の視力低下。現病歴:学校検診にて裸眼視力の低下を指摘され当科受診。既往歴:生下時よりの両側性難聴,また現在は消失しているが幼児期に前頭限白髪を認めている。現症:視力はV.d.=0.6(1.2×−0.5D),V.s.=0.6(1.2×−0.5D)と良好。眼圧は左右共に12mmHg。瞳孔間距離が62mmに対し内眼角間距離及び外眼角間距離は36mm,97mmで下涙点は内眼角より7mmの部に位置していた。細隙燈顕微鏡検査では右眼虹彩は10時半〜12時半の部が,左眼は逆に5時〜6時半の部を残しすべての部がいわゆるblue irisを呈し両眼性の虹彩色素異常(部分虹彩異色)が認められた(図1)。角膜,前房,中間透光体には著変をみず,眼底検査では色調の低色素傾向が認められた(図2)。全身的検査の結果,白皮症などの色素異常所見はみられなかった。
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