緑内障—私の夢
緑内障診療私見
谷口 徹
pp.148
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907887
- 有料閲覧
- 文献概要
眼は,小さな人体にたとえられることがある。血液に相当するのが房水で,それを各部に送り出す血圧に相当するのが眼圧となる。心臓が毛様体,動静脈系がシュレム管への流れ(血管内皮細胞が線維柱帯細胞),リンパ管系がぶどう膜強膜流に相当するとも考えられる。血圧の調節には自律神経系を介した機構があり,眼圧の調節にもそれが存在する。
近年,内因性の血管作動性生理活性物質による血圧調節機構が解明されてきている(心臓血管内分泌代謝学)。私は,眼圧房水動態の調節にも,血圧調節機構と同様にエンドセリンやNO,ナトリウム利尿ペプチド,アドレノメデュリンやCGRPなどの血管作動性生理活性物質が関与していることを報告してきた。人体の多くの臓器がこのような細胞間情報伝達物質を分泌する機能を有することも明らかとなってきており,眼圧房水動態の調節にもこのような機構が存在してもよいのではないか(仮称:房水動態内分泌代謝学)。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.