今月の表紙
小児サルコイドーシス
三宅 養三
1
1名古屋大学眼科
pp.1284
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907829
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11歳男児にみられた両眼の視神経乳頭腫脹を最初の眼所見とし,その原因にサルコイドーシスが疑われた,興味深く,また珍しい症例である。ポイントは写真に示されたような初診時の顕著な視神経乳頭腫脹にもかかわらず,その時点では視力低下がみられないこと,サルコイドーシスに特徴的な前部ぶどう膜炎,硝子体混濁,網膜血管周囲炎などの眼所見を示さなかったこと,さらにサルコイドーシスの診断基準にある胸郭内病変も認められなかったことである。それにもかかわらず,ツベルクリン反応,血清ACE,リゾチームなどよりサルコイドーシスが疑われ,ステロイド治療を行ったところ著効した。重要な症例として頭に刻みたいものである。
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