今月の表紙
前囊収縮
水澤 剛
1
,
西田 輝夫
2
1東京医科大学病院眼科
2山口大学眼科
pp.127
発行日 2007年2月15日
Published Date 2007/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101522
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症例は71歳女性。急性閉塞隅角緑内障の既往があり,両眼ともレーザー虹彩切開術が施行されていた。2004年2月,近医にて右眼66mmHg,左眼10mmHgと右眼の眼圧上昇を認め,急性緑内障発作の診断にてグリセロールとアセタゾラミドの点滴静注を施行され,当科を紹介され受診となった。当科初診時,視力は右0.1(矯正不能),左0.1(0.6×+2.50D()cyl-0.25D 60°),眼圧は右28mmHg,左10mmHgであった。水晶体所見はEmery-Little分類のgrade 2,隅角所見はShaffer分類のgrade 0を認め,水晶体前方偏位による急性緑内障発作の再発と診断し,超音波水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入術の緊急手術を施行した。術後,眼圧は正常化した。
手術後1か月より前囊収縮が出現し,徐々に進行しているが囊の閉鎖には至っていない。写真は,手術後1年5か月経過した現在の右眼の状態であり,矯正視力は(1.0×()cyl-1.00D 90°),眼圧は10mmHgと経過は良好である。
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