特集 EBM確立に向けての治療ガイド
網膜・硝子体疾患
はじめに—網膜・硝子体疾患のEBM
山口 克宏
1
1東北大学医学部眼科学教室
pp.182-183
発行日 2001年9月28日
Published Date 2001/9/28
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907513
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今日,眼科領域においても科学的根拠に基づく医療(evidence-based medicine:EBM)の重要性が広く認識されつつある。一般的に,EBMは,1)利用可能な最善の科学的根拠,2)患者の価値観および期待,3)臨床的な専門技能の3要素を統合するものと期待され,IT (情報技術)革命の波に乗って急速に普及してきている。その実践手順には,以下のステップがあると考えられている。すなわち,(1)目の前の患者に関して臨床上の疑問点を抽出する,(2)疑問点に関する文献を検索する,(3)得られた文献の妥当性を自分自身で評価する,(4)文献の結果を目の前の患者に適用する,(5)自らの医療を評価する,の5つのステップである。これは,必要な情報を探し,それを評価し,現実での適用性を見極め判断に利用していく方法論に基づいている。
EBMに用いられる論文のエビデンスの質は,通常最も信頼性の高いレベル1から最低のレベル5までの5段階に分類されている。すなわち,レベル1:ランダム化比較試験による報告,レベル2:非ランダム化比較試験による報告,レベル3:症例対照研究による報告,レベル4:ケースシリーズやコホート研究,レベル5:症例報告や一般的レヴューの5段階である。
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