特集 眼科診療:5年前の常識は,現在の非常識!
4 網膜・硝子体疾患
スペシャルレクチャー
網膜硝子体疾患の疫学
安田 美穂
1
1九州大学大学院医学研究院眼科学分野
pp.324-325
発行日 2011年10月30日
Published Date 2011/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103961
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はじめに
厚生労働省の難治性疾患克服研究事業の研究班によるわが国の視覚障害の原因疾患の報告では,1991年の第1位:糖尿病網膜症,第2位:白内障,第3位:緑内障,第4位:網膜色素変性,第5位:高度近視であったが,2005年では第1位:緑内障,第2位:糖尿病網膜症,第3位:網膜色素変性,第4位:黄斑変性,第5位:高度近視となり,網膜硝子体疾患が視覚障害の主原因を占めるようになってきた。
進行した黄斑変性や糖尿病網膜症による視覚障害は不可逆性の場合も多く,少なくとも現時点においては予防的治療が最も重要であるものの,いまだ確立された予防法はない。予防的治療を確立するために,網膜硝子体疾患の現状を把握するとともに,危険因子や予防因子を同定し,早期発見,早期治療に努めることが重要である。
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