やさしい目で きびしい目で・11
『学問(診療)に王道なし』
木村 内子
1
1東芝病院
pp.1815
発行日 2000年11月15日
Published Date 2000/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907126
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先日,久し振りに大学のクラス会に出席した。その帰り道,同じ私鉄沿線の垣添氏(国立がんセンター院長)と親しくお話し,意気投合した。最近とみに“ペイしない機器は買わない”とか“学会出席の回数を制限する”とか,経費節減と称して医者の足を引っぱる締めつけが厳しくなっているという。たまにしか使わない機器は患者をその機器のあるところへ送ってやってもらえというのだそうだ。
しかし,「たとえその機器が10人の患者のうち3人にしか使わないものであっても,それにより患者が恩恵を受け,医者の学問にも寄与すれば,ペイしなくても買わなければならない。日本のがんセンターですからね」と淡々とおっしゃっていた。
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