やさしい目で きびしい目で・2
『近視手術40年後の悲劇』
久保田 伸枝
1
1帝京大学
pp.229
発行日 2000年2月15日
Published Date 2000/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906703
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先頃,身体障害者手帳の視覚障害1級の診断書を書いた。63歳の男性で,21歳の頃,両眼に近視の手術を受けている。61歳までは,乱視の眼鏡は装用していたが,普通に見えていたとのことである。
その後,角膜障害のため,この2年間で,視力は,両眼とも手動まで低下し,角膜移植も困難な状態であった。近視手術が,術後40年を経て,なおこのような合併症に怯えなければならないことは,当時は,想像だにしなかったことと思う。近視の手術は,術式こそ違え,本邦では過去の歴史から消極的な眼科医が多い反面,一方では,多数の症例に行われていることも事実である。
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