特集 診断と治療の進歩—第53回日本臨床眼科学会シンポジウム
7.糖尿病網膜症治療の進歩—分子生物学の臨床応用
池田 恒彦
1
1大阪医科大学眼科学教室
pp.175-179
発行日 2000年2月15日
Published Date 2000/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906695
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近年の,硝子体手術の進歩により,硝子体出血や牽引性網膜剥離を伴う増殖糖尿病網膜症(proliferative diabeticetic retinopathy:PDR)の治療成績が向上している。しかし,なお再増殖,再剥離,血管新生緑内障,視神経萎縮などの術後合併症が後を絶たないのが実情である。手術成績をさらに向上させるためには,PDRの分子レベルでの病態を解明し,治療に役立てる必要がある。本稿では,硝子体手術時に採取した硝子体液および培養ヒトミュラー細胞を使用した細胞増殖因子の研究結果を踏まえ,今後の分子生物学の臨床応用の可能性につき述べる。
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