特集 インフォームドコンセント時代の眼科外来診療マニュアル—私はこうしている
外来診療のポイント(主訴から診断まで)—私はこうしている
眼精疲労
梶田 雅義
1
1福島県立医科大学眼科学教室
pp.95-98
発行日 1999年9月30日
Published Date 1999/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906547
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眼精疲労とは「眼を持続して使ったとき,健常者では疲れない程度の作業でも疲れを生じ,眼の重圧感,頭重感,視力低下,ときには複視などを訴え,はなはだしいときには悪心・嘔吐まできたす状態」をいう。本症は眼の使用状態,眼の能力および眼あるいは精神的な耐える力の三者がバランスを崩したときに発症すると考えられる(図1)。
エレクトロニクスの進歩によって,小型液晶画面を用いたゲーム機やシステム手帳,ワープロ,パソコンなどが汎用され,視覚情報量はすでに飽和状態にある。眼精疲労の原因として,屈折異常の不適正矯正は依然として大きな割合を占めている,眼が疲れるから眼鏡を新しくしたという患者の多くは,完全矯正に調整された,あるいは以前より近視寄りに調整された眼鏡を装用している。患者の作業環境を全く無視した眼鏡の処方が眼精疲労をさらに助長するが,これに気づかれないまま苦しみ続けている患者に遭遇する機会は多い。眼科医として眼が原因の眼精疲労は見逃してはならない。
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