特集 インフォームドコンセント時代の眼科外来診療マニュアル—私はこうしている
外来診療のポイント(主訴から診断まで)—私はこうしている
視野狭窄
古野 史郎
1
1古野眼科
pp.34-37
発行日 1999年9月30日
Published Date 1999/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906528
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“インフォームドコンセント時代の視野検査”との題を戴いたとき,日本の医療事情も随分と変わったなという思いが頭に浮かんだ。本来インフォームドコンセントは,非人道的な医学実験が戦時に行われたことに対して強く反省がなされたニュールンベルグ綱領を,世界医師会がジュネーブにおいて採択した1948年に始まり,1964年「ヘルシンキ宣言」において大枠が決まる。その後アメリカでの1960年代後半の公害反対運動,反戦運動,人種差別反対運動などの市民運動の高まりの中で「医療の決定権は患者側にあるべき」との声の高まりが現在のインフォームドコンセントの枠組みとなっている。そしてこの頃からアメリカは,訴訟大国となっていった。日本でのインフォームドコンセントは,1994年国立がんセンター内で検討が始まったのをきっかけに,厚生省が1995年にインフォームドコンセント検討部会を発足したのが始まりである。その後アメリカを手本としたインフォームドコンセントという外来語のまま,その内容もそのまま,日本でこの言葉は一人歩きを始めた。
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