特集 眼科検査法を検証する
Ⅳ.ぶどう膜疾患
レーザーフレアセルメーターによる炎症の定量化
加藤 聡
1
1東京女子医科大学糖尿病センター眼科
pp.163-165
発行日 1998年10月20日
Published Date 1998/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906098
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フレアセルメーターが発売されてから,約10年が過ぎた。その間にフレアセルメーターを使った研究が,臨床応用から基礎的な動物実験に至るまで行われ,眼科雑誌に幾度となく登場してきている。その多くは,今まで主観的,半定量的にしか計測できなかった前房内炎症を定量化し,その結果より,血液房水柵破綻の程度の定量化と結びつけているものである。しかし,報告された中にはフレアセルメーターで測定したフレア値が一人歩きをしてしまい,誤った解釈と思われる例も散見される。フレアセルメーターが測定しているフレア値とは,あくまでも前房内の散乱光強度であり,必ずしも血液房水柵の破綻の程度を表していないことを再確認し,その測定値の解釈を検証したい。
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