コラム
落屑症候群
猪俣 孟
1
1九州大学医学部眼科学教室
pp.88
発行日 1996年10月20日
Published Date 1996/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410905099
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落屑症候群は世界で最も早く高齢化が進んだスカンジナビア諸国で注目されてきた疾患である。近年わが国でも高齢化が進み,患者は今後ますます増加することが予測される。そこで,落屑症候群の病因解明に取り組んだ。
まず,落屑物質の微細構造を検討した。落屑物質は,直径20〜50nmの線維に電子密度の高い細かい顆粒状の物質が付着したものが集塊をなして存在し,その集塊の中には直径約10nmのマイクロフィブリル様の細線維が混在している(Roh YB et al:Arch Ophthalmol 105:978-982,1987)。マイクロフィブリルは生体の結合組織のどこにでもみられる成分であるので,落屑物質は皮膚にも出現する可能性がある。
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