コラム
緑内障病型の変遷
布田 龍佑
1
1NTT九州病院眼科
pp.80
発行日 1996年10月20日
Published Date 1996/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410905096
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熊本大学眼科における緑内障特殊外来は,昭和22年,須田経宇教授の熊大眼科への赴任とともに始まり,現在に至るまで継続されている。おそらく日本においては,最も長い歴史を有する緑内障特殊外来の1つであろう。私自身は昭和42年に熊大眼科へ入局したので,須田教授からは2年間,直接のご指導を受けることができた。昭和51年,澤田 惇先生が宮崎医科大学へ赴任され,以来平成6年までの18年間,この特殊外来を預かったこととなる。こうして50年近きにわたり,綿々と一貫した指導,運営方針に沿って特殊外来が維持され続けている例も少ないと思われる。
この緑内障特殊外来の特徴の1つとして,そのカルテが「特再カルテ」として,そのまま外来に保管されていることが挙げられる。天災,移転,カルテの集中管理化などさまざまな試練に耐え,「特再カルテ」はその登録第1号から,外来へ行きさえすれば,実際に見,資料として用いることができる。これは緑内障の診断,治療に関する調査を行う上では大きなメリットである。しかし,時代の流れには明らかに逆行しており,いずれカルテは集中管理,コンピュータ管理される運命にある。
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