眼科の控室
直像鏡
Bonin
pp.1280
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410904978
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道具には器具と器械とがあるといいます。英語ならapparatusとinstrumentです。簡単なのが器具,複雑なのが器械ですが,具体的な境界線を決めるのは容易ではありません。「手の延長が器具」と考えれば,メスや鑷子は器具になり,聴診器や耳鏡・鼻鏡も器具となります。直像鏡も器具だと思いたいのですが,これには異論もありそうです。
この話題を持ち出したのは,直像鏡も倒像鏡も最近ではかなり複雑な構造のが出てきたからです。直像鏡では,ジオプトリー表示が老眼の医師には読めないので,スイッチを押すと眼底を覗いている視野の中にポンと数字が出るものがあります。また,眼底を照らす光の大きさに2種類あって,中心窩や乳頭だけを観察するときには,その範囲だけを小さく照らす装置があったりします。
もっと凝っているのが,Aと・・の切り替えができる装置です。Aオート,○・は無限大の意味です。Aを選択しますと,ジオプトリーの度を変えても,これに合わせて眼底に投影する光のピントが変化し,境界がシャープなのです。。・ですと正視以外の範囲では照明光が当然ボケることになります。
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