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連載 眼科手術のテクニック—私はこうしている・85
屈折矯正白内障手術—一対のAKを組み合わせる上方小切開創白内障手術
Refractive cataract Surgery:Superior small incision cataract surgery combined with paired astigmatic keratotomy
吉富 文昭
1
,
原 優二
2
Fumiaki Yoshitomi
1
,
Yuji Hara
2
1太宰府吉富眼科
2麻生飯塚病院眼科
pp.124-125
発行日 1996年2月15日
Published Date 1996/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410904724
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- Abstract 文献概要
はじめに
なぜ白内障手術同時Astigmatic Keratotomy(以下,AK)が好まれないのか。これにはいくつかの理由がある。理由の一番目は,そもそも強角膜切開にしろ透明角膜切開にしろ,これら白内障切開もAKも角膜減張切開である以上,切開の本数と長さが増えるにしたがって術後予測性predictabilityが低下するからである。倒乱視例に対する上方白内障切開は実質的に弱主経線上に置かれた角膜減張切開であるのでAKの効果を減殺するのである。二番目の理由は,術後のAKと違って眼球に軸を決めるためのよい目印がないため容易に軸ずれが起こって斜乱視を形成するからである。筆者の5.5mm上方強角膜切開+一対AKのシリーズの場合,術後斜乱視の発生率は30%弱であった。
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