Japanese
English
連載 眼の組織・病理アトラス・106
Schnabel視神経空洞状変性
Schnabel's cavernous degeneration of the optic nerve
久保田 敏昭
1
,
猪俣 孟
1
Toshiaki Kubota
1
,
Hajime Inomata
1
1九州大学医学部眼科学教室
pp.1390-1391
発行日 1995年8月15日
Published Date 1995/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410904411
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Schnabel視神経空洞状変性とはSchnabelが1892年に最初に記載した視神経萎縮の特殊な病理組織像である。したがって,これは病理組織学的病名であって,臨床病名ではない。この病変の特徴は視神経乳頭部から前部視神経の範囲での空洞状の変性像である。空洞状になっている部は軸索の消失を伴う急性虚血性の視神経乳頭壊死(図1)で,その部位にヒアルロン酸が貯留している(図2)。
Schnabelは,猿を用いた実験で急性緑内障の視神経に空洞状変性が起こる機序を明らかにした。つまり,急激な眼内圧上昇によって視神経の血流が顕著に減少して急性の虚血性視神経乳頭壊死が起こり,同時に内境界膜が破綻すると,圧勾配によって硝子体中のヒアルロン酸が軸索が消失した壊死部(図3)に入ってくる。壊死部におけるヒアルロン酸の貯留はアルシアンブルーで染色される貯留物(図4)がヒアルロニダーゼで前処置した後には染まらなくなることで証明される。
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