- 有料閲覧
- 文献概要
ICG研究会が発足したのは,5年前の1990年7月27日で,開催地は仙台である。この頃は赤外螢光眼底撮影装置(トプコンTRC−50IA)がわが国に初めて登場してまもない時期であり,ICG螢光眼底造影に興味を持っている人はまだまだ少なかった。ことの発端はICG造影所見の解釈や臨床応用について日頃から意見の交換を行っていた仙台社会保険病院の高久容一先生や日大の湯沢美都子先生と,第28回北日本眼科学会を機会に“研究会を開催しよう”という話が持ち上がったことによる。具体的な準備を始めたのはひと月足らず前のことだったが,トプコン(株)高須正行氏のご尽力によりICG螢光造影に興味を持っている全国の大学や病院に連絡をとることができた。当日の参加者は二十数名で,一般演題も7題と少なかったが,白熱した討論のためか予定された2時間も瞬時に終了したような印象を受けた。この会の開催により「ビデオシステムによるICG螢光造影は画像が悪いため臨床応用には耐えない」という一般的概念は払拭されたものと思う。
次回の開催については全く白紙の状態であったが,同年9月VeniceのInternational Symposiumon Fluorescein Angiographyに同席した,大阪市立大学の三木徳彦教授が引き受けて下さるということになった。そして,1991 7月6〜7日に第2回ICG螢光造影研究会が大阪で行われた。集まった一般演題は14題と倍増し,さらにDr, C, A. Puliafito(Harvard Medical School, U. S. A. )による特別講演があった。この会で世話人会が発足し,発起人の3名(高久,林,湯沢)に宇山昌延教授,松井瑞夫教授,松尾信彦教授,三木徳彦教授が加わり,ICG螢光造影研究会を年1回,7月頃に開催することが決まった。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.