特集 ICG螢光造影
第5回日本ICG螢光造影研究会を主宰して急速な普及に伴い深まる関心と解明
宇山 昌延
1
1関西医科大学眼科学教室
pp.6-7
発行日 1995年1月15日
Published Date 1995/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410904132
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第5回日本ICG螢光造影研究会
日本ICG螢光造影研究会の第5回例会を平成6年(1994年)7月29日・30日の両日,奈良市で開催した。昨年の夏は殊の外の酷暑のもとの晴天であったが,参加者260名に及び,特別講演1題,シンポジウム1(7題),一般講演40題が行われ,きわめて盛会であった。会場は古都東大寺境内にある,奈良県新公会堂の新装された能楽堂を講演会場として用い,スクリーンの奥には背景として能舞台の松羽目がのぞいていた。会場外のロビーのガラス窓ごしには三笠山を借景に広々とした庭が広がり,晴天下に咲く,さるすべりの紅い花がとりわけ鮮やかに目に映った。
インドシアニン・グリーン(ICG)を造影剤とし,800nmの赤外線を光源として眼底を造影して,ビデオ撮影するICG赤外螢光眼底造影が,わが国で一般に広く行われるようになったのは,3年位前からである。従来のフルオレセインを用いる螢光造影とは異なり,眼底の深層,特に網膜色素上皮,脈絡膜,脈絡膜循環の造影が可能になって,その価値が認識されている。特に,わが国のトプコン社が積極的に取り組んで,眼底カメラとビデオ画像化システムを開発,市販化に成功して,本検査法を普及した貢献は大きい。ついでわが国には,ドイツ・ローデンストック社の scanninglaser ophthalmoscope (SLO,レーザー走査式検眼鏡,中央産業貿易取り扱い)が輸入され,本法の普及に一役かっている。
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