特集 高齢患者の眼科手術
術後管理
全身的な術後管理
本城 裕子
1
Hiroko Honjo
1
1帝京大学医学部附属病院
pp.216-219
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410904090
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現代医療の進歩は,社会の高齢化に伴って高齢者に対する手術件数および手術適応の範囲の拡大をもたらしている。帝京大学医学部附属病院眼科病棟も例外ではなく,年間入院患者数約2,000名のうち,70歳以上の高齢者は約30%を占めている(表1)。70歳以上で全身に合併症のない患者は皆無に等しく,また合併症に対して正しい知識を持っている患者家族も極めて少ない。
眼科領域の手術は手術法や機器の進歩により,近年安全かつ迅速に短時間手術・短期間入院が可能になった。しかし,高齢者にとって局所麻酔下手術とはいえ,全身への侵襲は予想外に大きなものであり,手術が全身的な合併症の悪化を招き思わぬ事態に至ることも少なくない。
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