連載 目でみるCT・MRI眼科学・6
[6]眼窩内疾患(2)
中尾 雄三
1
1近畿大学眼科
pp.1668-1672
発行日 1992年12月15日
Published Date 1992/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901407
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
12.リンパ管腫(図1)
小児期に発生して腫瘍内出血を繰り返し眼瞼下垂や眼球突出をみる。CTでは辺縁不整な高吸収域を示す。MRIではT1強調画像で外眼筋と等信号輝度,T2強調画像で高信号輝度な不整形の腫瘍に描かれる。腫瘍内出血はhemoglobinのFeイオンが経時的に変化するため,時期により異なる信号輝度を示す。初期のdeoxyhemoglobinはT1強調画像で等信号輝度,T2強調画像で低信号輝度になり,中期のmethemoglobinはT1, T2強調画像のいずれでも高信号輝度になる。後期のhemosiderinはT2強調画像では低信号輝度になり,腫瘍内隔壁も低信号輝度になる。
13.Sjögren症候群・Mikulicz症候群(図2)
涙液や唾液分泌減少をともなうSjögren症候群,白血病やリンパ肉腫に合併するMikulicz症候群では涙腺腫脹がみられる,CTで高吸収域(一部に低吸収域),MRIではT1強調画像で低信号輝度,T2強調画像で高信号輝度となる。涙腺腫瘍のような涙腺窩の拡大や破壊はない。
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.