特集 眼感染症診療ガイド
II.診断・治療のポイント
眼瞼・涙器・眼窩
眼窩蜂巣炎
中尾 雄三
1
1近畿大学医学部附属堺病院眼科
pp.114-116
発行日 2003年10月30日
Published Date 2003/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101429
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診断のポイント
1.症状・所見
1)眼所見
眼窩蜂巣炎では眼瞼の浮腫と発赤がみられ,眼瞼下垂をみることが多い。眼球は突出し,眼球運動は全方向に障害され,痛みを感じ,流涙がみられる。眼球結膜は拡張・蛇行で発赤し,著しい結膜浮腫(chemosis)があり,このために閉瞼が不能なことがある。炎症による極端な眼窩内圧の上昇で眼圧は上昇し,視神経障害も加わると視力が低下することもある。眼底所見では網膜静脈が拡張し,視神経乳頭の軽い浮腫がみられる。眼球周囲から頭部にかけての痛みがあり,眼窩周囲の異常知覚を訴えることもある1~3)。
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