特集 眼科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
眼部腫瘍
金子 明博
1
1国立がんセンター病院眼科
pp.146-150
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901369
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薬物療法の現況
眼科領域に発生する腫瘍は多数あるが,局所的治療法である手術療法や放射線療法が有効なことが多く,薬物療法が適応となる場合は少ない。しかし眼は重要な感覚器官であり,容貌の中心でもあるので,眼球摘出や眼窩内容除去などの手術的侵襲を加えずに,機能を温存して,しかも放射線白内障や網膜症などの後遺症を伴わずに,全身的な副作用の少ない薬物療法で治癒可能ならば,これに優る治療法はない。しかし現実には,有効な薬物は少なく,副作用の多い薬物が多いので,十分に注意して使用する必要がある。
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