特集 眼科治療薬マニュアル—私の処方箋
手術時トラブル対処法—緊急薬剤使用法のポイント
目黒 和子
1
1東京都老人医療センター麻酔科
pp.63-67
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901348
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近年高齢者における眼科手術症例は非常に増加しているが,高齢者では循環器合併症を有する頻度は高く,たとえ心疾患の既往が無くても循環器系の予備力は極度に少なく,全例が循環器合併症の予備軍である。そこで全身麻酔をかけることはそれ自体大きな手術に匹敵する侵襲となり,高齢者の眼科手術はできる限り局所麻酔で行いたい。
局所麻酔下の眼科手術でも,予備力の少ない高齢者では様々の合併症を起こし得る。そして一度合併症を起こすとそこからの立ち上がりが非常に難しくなるため,予測される合併症に関しては予め予防することが非常に重要となる。そこで我々の施設において行っている合併症の予防策と,手術室においてよく見られる合併症の治療法について述べる。さらに眼科治療法との関連において予測される合併症について言及したい。
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