特集 基本・周産期の薬剤
マイナートラブルの解決—薬剤を使わない対処法
鮫島 浩二
1
1中山産婦人科クリニック
pp.463-472
発行日 1998年6月25日
Published Date 1998/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901947
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はじめに
「マイナートラブル」という言葉の守備範囲はきわめて曖昧である。トラブルの範疇にあるのは間違いないが,トラブルに対する閾値のレベルは個々の妊婦まちまちで,体力・体調・精神状態,さらには得られる情報などにより大きく左右される。また医療者に相談した場合,その対処法たるや千差万別で,これまたそのときの気分によりアドバイスや処方の内容が変わることもしばしばである。「マイナートラブル」というからには「シビアなトラブルではない」ということで,対処法にもたとえば常位胎盤早期剥離と診断したときに躊躇なく緊急帝王切開を実施するときのような確信めいたクリアーさがない。
助産婦もしくは産科医が薬剤を用いないで妊娠・分娩・産褥期のさまざまな症状を取る方法,いったいそれは何だろうか?しかもそれはある程度効果が期待でき,誰にでもやれて,安全性が保障されたものでなければならない。
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