今月の主題 糖尿病マネージメントUpdate
糖尿病性合併症の管理・治療
妊娠・分娩時,手術時における緊急対応
大森 安恵
1
,
佐中 真由実
1
1東京女子医科大学・糖尿病センター
pp.982-984
発行日 1989年6月10日
Published Date 1989/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222512
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糖尿病者の妊娠は,奇形を予防し,網膜症や腎症の悪化を予防するため,本来受胎前の管理すなわちprepregnancy管理から始めなければならない1).糖尿病性合併症のチェックと,食前血糖100mg/dl以下,食後2時間血糖120mg/dl以下,HbA19%以下の十分なコントロールを行い妊娠が許可されるべきである.このようなオーソドックスなステップを踏めば,妊娠中に緊急の事態が起きることはほとんどない.
しかし,すべての症例がそうではなく,妊娠判明後血糖のコントロールが始められたり,妊娠中糖尿病が発見されたり,また発症する症例もある.本稿のテーマは緊急時への対応であるので,pre-pregnancyの管理を経ることなく妊娠した糖尿病者の問題と対策にっいて述べる.
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