連載 眼科手術のテクニック—私はこうしている・46
結膜移植および被覆術
崎元 卓
1
1日本大学医学部附属練馬光が丘病院
pp.1408-1411
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901313
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
眼科手術のなかで球結膜の移植術あるいは被覆術は古典的なものの1つであり,すでに19世紀後半には重篤な角膜疾患に対する治療法として知られていた。しかしながら,種々の治療薬,手術法が発達した現代でも,これらが非常に有用な治療手段として使用されていることは,角膜に対する結膜の重要性を表わすものとして興味深い。近年,Ocular surface disordersが注目され,角膜表層の改善による視力回復を目的としたいくつかの手術方法が工夫され,その1つに角膜上皮形成術(Keratoepithelioplasty)が行われている。しかしながら,この術式の適応と考えられる症例に対しても,健丈な自己結膜の利用が可能であれば,donor角膜の上皮組織を利用するより予後が良いことが再確認されている。このような背景を考え本項で結膜に対する基本的な術式である結膜移植および被覆術を見直してみるのは重要である。
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.