特集 小児眼科診療マニュアル—私はこうしている
検査の進め方と読み
眼底検査の実際
秋山 健一
1
1国立東京第二病院眼科
pp.1559-1561
発行日 1990年9月30日
Published Date 1990/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410900376
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小児の眼底検査は小児の年齢とどのくらい十分見なければならないかによって決まる。1歳の子どもに網膜芽細胞腫を疑って眼底検査をする場合は全麻下に行わなければならない。一方斜視の子どもの眼底検査のためにいちいち入院させることはできない。どの子どもにどの程度の眼底検査を行うかは臨床的判断になる。
一般に子どもの眼底検査では倒像検査が主体である。それは固視が一定時間静止することが出来ないことにもよるが,それ以上に子どもでは眼底の全体像が知りたいためでもある。筆者は好んで額帯式の双眼倒像鏡を川いているが片手が空くとか立体視ができるなどの利点がある。直像鏡が使えるのは全麻あるいは睡眠下の時と3歳以上で何回か再来した後で患者と十分ラポールが取れるようになったときである。それでも乳頭周辺が辛うじて見える程度である。細隙灯に頭をつけて前眼部の検査をさせてくれる子どもがいるが,このような状況では+90Dを使った眼底検査ができる可能性があるが,普通は細隙灯による眼底検査は望むべくもない。従って倒像眼底検査が子供の眼底検査と言うことになる。
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