増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
生理機能検査
眼科関連機能検査
眼底検査
岸 章治
1
1群馬大学医学部眼科
pp.868-869
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402910047
- 有料閲覧
- 文献概要
眼底検査の目的・意義
眼底は脳から派生した網膜・視神経と,それを栄養する網膜血管と色素上皮・脈絡膜からなる.脳脊髄液を満たすくも膜下腔は眼球のすぐ後方まで続いており,脳圧の亢進は視神経乳頭の浮腫をきたす.眼底は,細動静脈から毛細血管までの血管系を直接,観察できる唯一の器官であり,高血圧,糖尿病,血液疾患などで診断的価値が高い.また網膜は透明であるため,滲出や虚血病変を白斑としてとらえることができる.
眼底検査の目的は,眼に由来する訴えの原因を究明することと,全身病の一部としての眼合併症を調べることにある.後者の場合,眼科的には自覚症状のないこともある.しかし,放置すれば,失明につながりかねない場合もある.表1に眼底検査が絶対必要な疾患と,補助診断として有用な疾患を記した.また眼科的な訴えと,その場合の代表的な疾患をあげた.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.