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緒言
眼底血圧測定法(Ophthalmodynamometry)なる臨床検査法が,1917年Bailliantにより開発されてからすでに約50年が経過し,この間に幾多の研究者により,基礎的及び臨床応用に関する研究がなされ,数多くの知見が得られてきている。特に基礎的問題に関しては,ここ10年来Weig—elin等により我々が測定しているNADは観察部位の血圧ではなく,より上位の眼動脈の血圧であろうとの主張がなされていらい,眼底血圧測定の本質に関して種々の疑義も提出されているのが現状である。しかしながら一方,眼底血圧測定法は比較的簡単にできる臨床手技も幸いして,日常外来において広く行なわれており,我が国においてはすでに一つの確立した臨床手技となっていることも事実である。それ故この方法を日常診療に有益なデーターを提供しうるように,さらに改良,発展させることも又極めて有意義のことと思われる。我々の教室においては特殊外来の一つとしてNAD外来をもうけているが,この外来における多数のNAD測定の結果,めまい,立ちくらみ,頭痛,眼精疲労等を主訴とする患者には,体位変換時のNAD測定,いわゆるLage—wechsel NADが極めて有益な検査であることとを知り,しかも最低安静臥位を15分間継続してからLagewechsel NADを測定することの方が,より主訴に密接するデーターが得られることを確認したので,ここに報告する。
1. Ten cases with orthostatic intracranial hypotension were examined as to the change in retinal arterial pressure induced by standing up after a momentary or 15-minute sustained supine position. Further 10 normal adults were tested by the same method and served as con-trols. In cases with orthostatic intracranial hy-potension, the induced change in retinal arterial pressure was significantly greater when stand-ing up after sustained supine position than after momentary one.
2. The above test was applied to 100 cases with dizziness, vertigo while standing up, head-ache or asthenopia as chief complaints.
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