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特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(2)1989年10月 名古屋
学術展示
形状記憶合金を用いたContinuous Circular Capsulorhexis
Use of shaped memory alloy for continuous circular capsulorhexis in cataract surgery
足立 憲彦
1
,
小室 敏朗
1
,
鈴木 康之
1
,
谷野 洸
1
Norihiko Adachi
1
,
Toshirou Komuro
1
,
Yasuyuki Suzuki
1
,
Tuyoshi Tanino
1
1関東逓信病院眼科
pp.524-525
発行日 1990年4月15日
Published Date 1990/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410900130
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- Abstract 文献概要
緒言 近年,眼内レンズの嚢内固定を確実に行い,術後のレンズ偏位をより少なくするための前嚢切開法として,Continuous Circular Capsulorhexis (C.C.C.)が,行われる様になった。この方法には鑷子を用いる方法,ディスポ注射針を用いる方法等がある1)。いずれの方法も切開線が水晶体の赤道部へいった場合中止しなければならない等の問題があり,より容易な方法が望まれている。今回我々は形状記憶合金を用いた双極電極(バイポーラー)を試作し,新しいC.C.C.の方法を動物眼において試みたので報告する。
装置 形状記憶合金は加熱によって予め記憶した形に復元する合金であり,今回使用した合金の組成はニッケルとチタンである。この合金の直径0.016インチの針金を用いて,直径5.5mmの輪状に加工し,更に形状記憶させるための加熱処理をした2)。それにより室温で容易に変形でき,40℃に加熱すると元の円形に戻る事ができる。これを電気メスの対極板とした。この特性により眼外より3mmの切開創より前房内へ挿入できる。電気メスの先端は直径2.75mmの円盤状に加工した。形状記憶合金の対極板の中心に電気メスの先がくる様に固定して,更にシリコンチューブで電流が漏れないよう絶縁した(図1,2)。
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