増刊号 6年前の常識は現在の非常識!—AI時代へ向かう今日の眼科医へ
Ⅵ.緑内障
正しい点眼薬のさし方
中野 絵梨
1
1京都大学大学院医学研究科眼科学教室
pp.153-156
発行日 2024年10月30日
Published Date 2024/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410215343
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ここが変わった!
以前の常識
・患者の眼圧が高ければ,まずは点眼薬の変更や追加による治療強化を検討していた.
・複数の眼圧下降薬を長期投与してから緑内障手術に至ることはやむをえなかった.
・点眼開始時に喘息や心疾患の既往歴を聴取するが,その後は患者からの申告がない限り,全身疾患の有無や体調の変化を確認することはなかった.
現在の常識
・まずは正しく点眼できているかを確認する.特に治療開始時の介入でアドヒアランスの向上を目指す.配合剤の種類が増加し,ボトル3本で5剤の投与が可能となった.
・緑内障手術成績と点眼薬の関連が懸念されており,手術を見据えた点眼薬処方が求められるようになった.
・点眼薬の超長期使用が増えており,治療継続中に禁忌や慎重投与にあたる疾患が発症する可能性があるため,定期的に全身疾患や体調を確認する必要がある.
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