増刊号 6年前の常識は現在の非常識!—AI時代へ向かう今日の眼科医へ
Ⅳ.白内障
眼内レンズ度数計算式
須藤 史子
1
1東京女子医科大学附属足立医療センター眼科
pp.97-100
発行日 2024年10月30日
Published Date 2024/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410215330
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ここが変わった!
以前の常識
・光学式バイオメトリーの技術革新により,2014年には従来のswept source-OCT(SS-OCT)からFourier domain-OCT(FD-OCT)が搭載になり,測定値の信頼性および測定率の向上,測定項目の増加が可能になったため,眼内レンズ(IOL)度数計算には必須のものになった.
・一方で,計算式は測定方法の進化に遅れ,30年以上前に開発されたSRK/T式が優勢であったため,異常眼軸長や角膜形状異常などの屈折ずれしやすい症例は依然として残り,IOL度数処方時には,過去の実績による臨床的勘に頼るしかなかった.
現在の常識
・乱視矯正IOLや多焦点IOLの機能発揮には術後屈折誤差予測の精度が直結するため,より高い精度が求められることから,近年数多くのIOL度数計算式が新たに登場している.
・あらゆる眼軸長や前眼部解剖眼にも良好な成績が得られるとして,光学式バイオメトリーにも搭載可能なBarrett Universal Ⅱ(BU Ⅱ)式や,人工知能(AI)を利用したビッグデータ解析による算出方法のHill-RBFが注目されている.
・角膜形状異常眼の代表であるLASIK術後眼や円錐角膜眼専用の計算式も登場し,AIのさらなる進化とともに,IOL度数計算式のアップデートが必須の状況である.
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