特集 眼内レンズ度数計算アップデート
1 眼内レンズ度数計算式の種類と術後屈折誤差の要因
須藤 史子
1
1東京女子医科大学附属足立医療センター眼科
キーワード:
Barrett Universal Ⅱ式
,
Hill-RBF
,
EVO式
,
Kane式
,
Olsen式
,
眼球均整
Keyword:
Barrett Universal Ⅱ式
,
Hill-RBF
,
EVO式
,
Kane式
,
Olsen式
,
眼球均整
pp.715-721
発行日 2022年8月5日
Published Date 2022/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002732
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現在の白内障手術は手術手技の確立,周辺機器の安全性の向上から,完成度の高い手術となっている。そのため屈折矯正手術としての意味合いが強くなっている。せっかく痛みもなく安全に白内障手術を施行しても,術後に患者の希望する屈折に仕上がっていなければ,患者満足度も低い。眼内レンズ(IOL)度数の注文は手術前に行っておくため,患者満足度は手術前から決まっているともいえる。つまり,IOL度数計算抜きでは白内障手術は成り立たないのである。しかし,この大事なステップを軽んじている執刀医がどれほどに多いか。IOL度数計算式は,眼軸長測定装置の中に搭載されているため,実際の計算式を目にすることはない。各施設が使用する装置ごとに,術後屈折誤差の低減の観点から使い勝手の良い計算式を最低2種類はもち,IOL度数計算を行い決定することが基本であると考える。特にここ20年間で光学式バイオメーターは測定技術の進化とともに,術後屈折誤差の少なさを競う計算式が開発され,バージョンアップされている。本稿では,IOL度数計算式のアップデートを図り,屈折誤差の要因を知り,どのように対処すべきかについてをまとめる。
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