特集 意外と知らない小児の視力低下
企画にあたって
稲谷 大
1
1福井大学医学部眼科学教室
pp.1389
発行日 2023年11月15日
Published Date 2023/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410215013
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「小児の診療」って,みなさんお得意でしょうか? 小児の患者さんは,なかなか診察に協力的ではないですし,視力を測ろうにも相手が乳児だと視力検査もできません。「見えにくいの?」と尋ねても,初対面の私に心を開いて「見えにくいです」と言ってくれることは稀で,たいていは「……」です。親御さんも優柔不断なわが子を見てイライラし始めますし,周りにいるコメディカルも,私が困惑しているのを察してかソワソワし始めて,ぬいぐるみを取り出して,「アンパンマンいるよ〜!」とか,この子がアンパンマン好きなのかどうなのかもわからないのに,診察する前からカオスなのが臨床現場の実情ではないでしょうか? ちなみに私は,アンパンマンよりもラムちゃんのフィギュアのほうが好きです!
話が脱線してしまいましたが,「もうちょっと大きくなって,視力を測れるようになったら,また来てください」みたいなことを言ってしまい,とりあえず問題を先送りするだけの診察になってしまうことも多々あります。
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