今月の表紙
角膜インレーKAMRATM
永野 幸一
1
,
井上 幸次
2
1北里大学病院
2鳥取大学
pp.1140
発行日 2021年9月15日
Published Date 2021/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214085
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- 文献概要
症例は60歳,女性。右眼の見づらさを主訴に白内障手術目的で当院を紹介され受診となった。初診時の視力は左右とも(1.2),眼圧は左右とも11mmHgであり,中間透光体は,左右ともにEmery-Little分類のgrade 2の白内障を認め,眼球光学特性解析装置(OQAS)で散乱値の上昇が認められた。また,左眼角膜に老視対策用の角膜インレーが挿入されていた。眼底に異常はなかった。
白内障手術に際しては,患者の希望と左眼の角膜インレーを温存することで中間距離までの視力が期待できることを勘案して,正視狙いで水晶体超音波乳化吸引術+眼内レンズ(IOL)挿入術を施行した。術後3か月目の視力はVd=1.5(2.0×cyl−0.50D 180°×IOL),NVd=0.15(1.0×+3.00 D()cyl−0.50D 180°×IOL),Vs=0.3(2.0×−2.25D()cyl−0.50D 25°×IOL),NVs=1.0×IOLであり,左眼は予定より近視化しモノビジョンとなっているが,術後経過は良好である。
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