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あとがき
井上 幸次
pp.986
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214055
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このあとがきを書いているのは5月中旬で,新型コロナウイルスの第4波が到来し,3回目の緊急事態宣言を出してもなかなかおさまらないという状況にあります。大阪の国際会議場でコロナワクチンの大規模接種をすることになったようで,今考えてみるとこの4月の日本眼科学会総会が曲がりなりにもon siteでできたことは幸運だったのではないかと思います。今年の日眼はon siteとライブ配信とオンデマンド配信の3つを組み合わせた形になっており,主管校であった関西医科大学のご苦労がしのばれます。ただ,部屋によっては,座長も演者も全員リモートで行われたところがあって,人数は少ないながらも実際に会場で聴いていたon siteの聴衆が置いてけぼりになっていた感じがありました。これだと家で視聴したほうがよいなと思ってしまいました。これからの半年でワクチン接種が進み,今秋開催の日本臨床眼科学会ではもう少しon siteでの参加者が増えて,そちらが主流になることを祈るばかりです。
本号の「今月の話題」に岸本達真/福田憲先生の「ファージを用いた細菌性眼内炎治療」が掲載されています。細菌感染の治療は抗菌薬で行うという常識を覆して,細菌の天敵(?)であるバクテリオファージを利用しようとする面白い試みです。新型コロナウイルスへの対応(それはウイルスそのものに対する対応ももちろんですが,その影響で一変してしまったさまざまな社会的状況に対する対応も含まれます)にも,こういった発想の転換が必要なのかもしれないと思いつつ,面白く読ませていただきました。
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