Book Review
診断力が高まる 解剖×画像所見×身体診察マスターブック
志水 太郎
1
1獨協医大・総合診療医学
pp.1458
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213398
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この本は「ありそうでなかった」画期的な視点の本であり,基礎と臨床をつないでくれる有意義な書籍と思います。4名の編者のうちクリニカルフェローが2名という(カナダおよび米国)チーム編成が,北米大陸の教育層の厚さを物語ります。また,NEJMのClinical Problem SolvingでおなじみのJoseph Loscalzo先生(Harvard/Brighamチーム)も参画して書かれた臨床解剖の本です。原著のサブタイトルはフィジカルと画像のintegrationということで,邦題もその本質を見事に翻訳された「解剖×画像所見×身体診察」となっています。
本書は,核となるChapter 1,臨床での統合的アプローチ,そしてそれに続くChapter 2からの各論からなります。それぞれの各論の章は基礎医学というよりはむしろより臨床的な事項がメインになった構成であり,そこに画像所見と解剖図譜がバランスよく配置されていて,臨床画像には慣れない低学年の学生でもスムーズな形で画像の読み方について解剖を基礎として学ぶことができる構成と思います。各論の章は,症例を基にしながら,初期評価,器官系の概要,症例集という三段構成になっていて,スムーズに基礎→臨床の学習に入っていくことができます。
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