#総合診療
#書評:—診断力が高まる—解剖×画像所見×身体診察マスターブック
志水 太郎
1
1獨協医大・総合診療医学
pp.1381
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202368
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“ありそうでなかった”画期的な視点の、「基礎」と「臨床」をつないでくれる有意義な書籍と思います。編者4名のうちクリニカルフェローが2名(カナダおよび米国)というチーム編成が、北米大陸の教育層の厚さを物語り、また『New England Journal of Medicine(NEJM)』の「Clinical Problem-Solving」でおなじみのJoseph Loscalzo先生(Harvard/Brighamチーム)も参画して書かれた臨床解剖の本です。原書のサブタイトルは「An Integrated Approach to Psysical Examination and Medical Imaging」ですが、邦題もその本質を見事に翻訳された「解剖×画像所見×身体診察」となっています。
本書は、核となるChapter 1「臨床での統合的アプローチ」、そしてそれに続くChapter 2は部位別の各論からなります。各論は、基礎医学というよりはむしろより臨床的な事項がメインになっており、そこに画像所見と解剖図譜がバランスよく配置されていて、臨床画像には慣れない低学年の学生でも、画像の読み方について解剖を基礎としてスムーズに学ぶことができる構成になっています。各章は、症例を基にしながら、「初期評価」「器官系の概要」「症例集」という三部構成になっていて、スムーズに基礎→臨床の学習に入っていくことができます。
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