増刊号 7年前の常識は現在の非常識!—眼科診療の最新標準
5.ぶどう膜炎・強膜炎・感染症
Special Lecture
小児のぶどう膜炎
後藤 浩
1
1東京医科大学臨床医学系眼科学分野
pp.316-317
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212930
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はじめに
小児のぶどう膜炎は多施設調査などのデータが存在しないため,その実態は不明な点も多いが,成人では主要疾患として位置づけられるサルコイドーシス,Vogt-小柳-原田病,Behçet病などは一般に稀である。自施設における小児ぶどう膜炎(15歳以下)の統計を表1に示す。全118症例の平均年齢は11.2±3.7歳で,性別は男児39例(33%),女児79例(67%)と女児が男児の約2倍を占めている。分類可能なぶどう膜炎としてはiridocyclitis in young girlsのほか,川崎病や若年性特発性関節炎(juvenile idiopathic arthritis:JIA),腎尿細管間質性腎炎に伴うぶどう膜炎などが代表的な疾患であるが,全体の6割近くは同定不能であり,この点は以前と比較しても大きな変化はないと考えられる。
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