Japanese
English
連載 日常みる角膜疾患21
アカントアメーバ角膜炎
Acanthoameoba keratitis
川本 晃司
1
,
西田 輝夫
1
Koji Kawamoto
1
,
Teruo Nishida
1
1山口大学医学部分子感知医科学講座(眼科学)
pp.2254-2258
発行日 2004年12月15日
Published Date 2004/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100865
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
症例
患者:60歳,男性
主訴:右眼の眼痛,流涙,視力障害
現病歴:高度近視眼のため,数十年来ハードコンタクトレンズを装用していた。2001年11月,右眼を木の枝で受傷し右眼眼痛,充血,視力障害が出現したため近医を受診した。右角膜潰瘍と診断され眼軟膏と人工涙液点眼薬で加療されていたが改善しなかった。その後も眼痛,球結膜充血が持続したために,当科を紹介され受診した。
既往歴・家族歴:糖尿病,高血圧,狭心症,幼少時に右角膜化学外傷
初診時所見:視力は右0.01(矯正不能),左0.05(0.6 x S-9.0D()cyl-2.5D Ax 145°),眼圧は右14mmHg,左12mmHgであった。細隙灯顕微鏡検査において右眼球結膜の毛様充血を伴った著明な結膜充血と,角膜中央に角膜実質の浮腫を伴ったフルオレセインで染色される潰瘍を認めた(図1)。12時方向の角膜実質浅層に新生血管の侵入を認めた。また角膜中央部にデスメ膜の皺襞も認められた。前房内に炎症所見は認められなかった。中間透光体では両眼とも加齢によると考えられる水晶体皮質の混濁を認めた。眼底検査では近視眼に伴う豹紋状眼底を認めたほかは両眼とも特に異常所見は認められなかった。角膜知覚検査では両眼とも知覚の低下は認められなかった。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.