病気のはなし
アカントアメーバ角膜炎
石橋 康久
1
1北里研究所メディカルセンター病院眼科
pp.222-226
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100359
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サマリー
本症はコンタクトレンズ(contact lens,以下CLと略)の装用や外傷が原因となり角膜にアカントアメーバが寄生して起こる感染症である.85~90%がCL装用者で,10~15%が外傷による.CLではソフトCLが85~90%,ハードCL装用者が10~15%である.欧米では1974年に1),わが国では1988年に初めての報告があり2),その後症例が増加して問題となっている.米国では対策がなされて症例は減少しているが,わが国では,いまだ対策がなされていない.CLの使いかたやケアの仕かたが誘因となるため,予防が大切であるが,わが国ではCLの装用に対する指導が徹底されておらず,問題であると思われる.診断は臨床経過と臨床所見とから疑い,病変部から直接検鏡あるいは培養でアメーバを検出する.治療は難しく早期に発見して適切な治療を行えば予後はよいが,診断が遅れたり適切な治療が行われない場合,失明する.
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