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連載 今月の話題
角膜移植の現在と未来
Concise review:An update on corneal transplantation
山口 剛史
1
Takefumi Yamaguchi
1
1東京歯科大学市川総合病院眼科
pp.635-644
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211790
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角膜疾患の治療法として,悪い部分だけを置換する「パーツ移植」の目覚ましい進歩が,注目されつつある。これらの新しい手術法の不正乱視・視機能を評価するには,従来の角膜不正乱視の評価法に限界があった。筆者らの研究チームは,パーツ移植前後の角膜光学機能の評価系として,従来の角膜前面・後面だけでなく,光線追跡法を用いることで,角膜全体(=前面+後面)の高次収差の演算方法を新規に確立し,さらにパーツ移植における角膜前面と後面の平行性の破綻による視機能への影響を証明した。この解析法を用いることで,さまざまな角膜混濁眼における角膜収差解析が可能となり,これまで角膜混濁疾患と考えられてきた疾患が高次収差によって視機能障害をきたしていることも明らかになりつつある。本稿では,新しいイメージング技術による光学機能解析法の視点から,角膜内皮移植(Descemet's stripping automated endothelial kelatoplasty:DSAEK)やDescemet膜移植(Descemet's membrane endothelial keratoplasty:DMEK)など最新の「角膜移植の現在と未来」について,将来の展望を述べる。
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