Japanese
English
特集1 脈絡膜と網膜疾患
糖尿病黄斑症と脈絡膜
choroid and diabetic macular edema
園田 祥三
1
Shozo Sonoda
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科眼科
pp.158-163
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211218
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はじめに
糖尿病眼における脈絡膜に関する研究の歴史は古く,1900年代後半の組織学的な検討においてすでに糖尿病脈絡膜症(diabetic choroidopathy)という概念は提唱されている1〜3)。しかしながら,糖尿病眼合併症における脈絡膜の関与は,網膜と比較すると明瞭でなかったためか,その後の報告は限られたものとなっている。2009年にSpaideら4)によって報告されたenhanced depth imaging-optical coherence tomography(以下,EDI-OCT)の手法(図1)を用いることで,生体における脈絡膜についての比較的詳細な解析が可能となったことから,近年,各種疾患における脈絡膜解析に注目が集まっている。糖尿病網膜症の病態の中心は網膜にあるが,EDI-OCTの手法を用いて糖尿病眼における脈絡膜についての解析を進めることで,糖尿病脈絡膜症の概念が再考され,網膜のみでなく,脈絡膜を含めた病態メカニズムの解明が進むことが待たれている。本稿では,過去になされた糖尿病眼における脈絡膜に関する報告を紹介し,現在筆者らが行っている研究や,その展望について述べる。
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