Japanese
English
特集1 脈絡膜と網膜疾患
糖尿病脈絡膜症
Diabetic choroidopathy
白神 千恵子
1
Chieko Shiragami
1
1香川大学医学部眼科学教室
pp.152-156
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211217
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はじめに
糖尿病眼において,網膜症が視力予後に直結する重要な病変と考えられている。網膜の血管病変は,検眼鏡検査やフルオレセイン蛍光眼底造影(fluorescein angiography:以下,FA)でその病状が容易に検出できるため,病期の進行の把握や視機能予後の評価に用いられてきたが,脈絡膜病変については,あまり重要視されていなかった。糖尿病眼における脈絡膜血管病変は,1985年にHidayatら1)が初めて糖尿病眼の光学,電子顕微鏡による病理組織学的研究の報告をした。その後,Cao2),Fukushimaら3)が,糖尿病剖検眼の脈絡膜血管伸展標本を用いた組織所見の報告をしている。
インドシアニングリーン蛍光眼底造影(indocyaninegreen angiography:以下,IA)が普及してからは,臨床的に脈絡膜血管の異常をある程度把握することが可能となり,IAを用いた糖尿病脈絡膜症(diabetic choroidopathy:以下,DC)に関する報告が散見される4,5)。さらに,近年ではenhanced depth imaging(EDI)光干渉断層計(optical coherence tomography:以下,OCT)やswept source OCT(SSOCT)にて脈絡膜の厚さや大まかな血管構造を検出できるようになり,糖尿病眼における脈絡膜OCT所見の報告が注目されている。そこで,本稿では糖尿病眼における脈絡膜血管病変について述べる。
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