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特集1 眼感染症—知っておくべきことから最新の治療まで
ウイルス性ぶどう膜炎
Uveitis:Viral Infection
岩橋 千春
1
,
大黒 伸行
2
Chiharu Iwahashi
1
1大阪大学大学院医学系研究科眼科学教室
2JCHO大阪病院眼科
pp.28-32
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211188
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はじめに
ぶどう膜炎の治療において,感染性か非感染性かという鑑別は,治療方針に大きく影響を与えるため,非常に重要である。感染性ぶどう膜炎を疑った場合には,従来は眼内液の塗抹,培養,鏡検などを施行していたが,結果が出るまでに時間を要することが問題であった。しかし最近では,眼内液サンプルのPCR(polymerase chain reaction)による網羅的検索が行われるようになり,原因ウイルスの同定ができる症例が増えてきた。感染性ぶどう膜炎500例の眼内液サンプルをmultiplex PCR法で検索したSugitaらの報告1)によると,単純ヘルペスウイルス1型(herpes simplex virus:HSV-1),2型(HSV-2),水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus:VZV),Epstein-Barr(EB)ウイルス,サイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV),human herpesvirus 6(HHV-6)などのウイルスが感染性ぶどう膜炎の原因ウイルスとして同定されている。ここでは主に,前眼部のウイルス性ぶどう膜炎の代表としてヘルペスウイルスによる虹彩毛様体炎について,また,後眼部のウイルス性ぶどう膜炎の代表として急性網膜壊死(acute retinal necrosis:ARN)およびCMV網膜炎について概説する。
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