Ⅰ綜説
網膜の生理
中島 實
1
1名大眼科
pp.47-52
発行日 1948年5月20日
Published Date 1948/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211083
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Ⅰ.綱膜の機能
網膜は外界の物體から來る光を感覺する器官として,眼球の最も重要な地位を占めて居る。網膜に於て光を感ずる部位は其の外層に在る視細胞層である事はPurkinje氏の血管像や網膜の構造上から推定せられて居る。
網膜に於ける感覺は主として桿状體が主役となる無彩の光覺と,圓錐體の機能である有彩の色覺とであり,視力其他の感覺は各視細胞の刺戟の強弱の差によつて生ずるに過ぎぬ。從つて網膜に於げる基本的の感覺は光覺と色覺とであると言へる。而して光覺は單に量的の感覺であり.色覺は更に質的の感覺が加はる。
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