特集 眼科外来診療マニュアル—私はこうしている
外来診療のポイント—私はこうしている
所見からみた疾患
角膜異常
広沢 和代
1
Kazuyo Hirosawa
1
1久我山病院眼科
pp.1529-1534
発行日 1989年9月30日
Published Date 1989/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210985
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角膜異常の診かたと対策
細隙燈顕微鏡の出現により角膜異常は非常に細かな点まで"診れる"ようになった。しかし医師の方に"診る目"がないと,つい見落としてしまうのも恐ろしい。1人1人の角膜を上皮から内皮まで,また全周360°"診る"ことは,忙しい日常診療上なかなか難しいことであるが,主病巣のみにとらわれず,定期検査のうち何回かでも角膜をすみずみまで診なおして欲しい。また,前眼部写真を撮るのと遜色ない程に所見のイラストを忠実に行いたい。ヘルペスの樹枝状潰瘍がどう進んだのか,いや後退したのかなどと迷うことなく診察をすすめていきたいものである。一般病院でよくみられる角膜異常を頻度別にあげると,筆頭はコンタクトレンズによる障害であろう。ついでいわゆる種々の表層角膜炎,そして角膜異物,角膜潰瘍とつづく。しかし各種の変性症や円錐角膜も忘れてはならない疾患であろう。ここでは全ての角膜疾患を呈示してはいないので,精密な観察の上,成書を参照していただきたい。
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